慶應通信

【実録】慶應通信1年目|30代・子育て中でも学び直しを続けられた理由

30代、フルタイム勤務、子育て中。
そんな私が通信制大学に入学して、卒業できるなんて想像もしていませんでした。

それまで、ずっと引っかかっていた学歴コンプレックス。
一度きりの人生で、自分がやってみたかったことに挑戦してみたい気持ち。
そして何より、「このまま何もしなかったら後悔するかもしれない」という思い。

そんな気持ちを抱えて、私は慶應義塾大学の通信教育課程に入学しました。
入学当初は、最短卒業・高評価・学友との交流という、理想的すぎる未来を思い描いていました。

でも、現実はまったく違いました。

この記事では、私が慶應通信1年目に感じたことをありのままに紹介します。

こんな方に読んでほしい
  • 通信制大学に入学したばかりで不安な方
  • レポートが出せずに悩んでいる方
  • 子育てや仕事と両立できるか心配な方
  • 完璧にやらないとダメだと思っている方

「自分にもできるかな……」と不安な方にこそ、読んでほしい内容です。

半年間、手が止まったままだった

慶應通信では、入学直後からすぐにレポートや科目試験に取り組むことができます。
私は2014年10月入学だったので、本来であれば年内に何かしらのレポートを出していたかったのですが──

結果として、最初のレポートを提出したのは、翌年の4月。
つまり、半年以上も「何も手をつけられなかった」のです。

子どもは当時まだ1人目で、育児も家事も全てが初めての経験。
日々の生活だけで手一杯の状態でした。

それでも、どこかで「やらなきゃ」「始めなきゃ」と焦る気持ちはあって。
何度もレポートの課題文を開いては閉じる──そんな日々を過ごしていました。

最初のレポートは当然の「不合格」

ようやく提出に至ったのは、日本史のレポートです。
もともと高校時代に得意だったこともあり、「この科目ならなんとかなるかも」と思って選びました。

でも、いざ取り組んでみると、何をどう書けばいいのかが全くわからない。
ネット上の体験談も断片的で、自分の課題にピタリと当てはまる情報はほとんど見つかりませんでした。

そして私は、とても真面目に、ある意味では“バカ真面目”に、教科書も参考文献も最初から最後まで全文を読みました

今振り返れば、これは明らかに「必敗法」でした。

課題で問われているのは一部分なのに、私は「全部読まなきゃダメだ」と思い込んでしまっていたのです。

シロ

やる気があるのはわかるけど、空回りしてるにゃ。

そして当然のように、結果は「不合格」。
添削されたコメントは想像以上に厳しく、正直かなり落ち込みました。

でも、そのコメントの中に、的確なアドバイスもありました。
「この観点を追加すれば良くなる」「資料の使い方がずれている」──
そういった助言に従って、再提出、さらに再々提出。

3回目でようやく合格をもらえた時は、「やっと通信の学びがスタートした」と思える瞬間でした。

初めてのスクーリングが「学生になれた」と感じた時間

慶應通信ではスクーリングの履修が必須だったので、夏に初めてスクーリングに参加しました。
地方在住のため東京での宿泊も必要でしたが、家族の協力を得て、思い切って申し込みました。

あの1週間は、今でも強く印象に残っています。

慶應大学の日吉キャンパスに入った時に「慶應生だ」──そう実感できた瞬間でした。

みけ

慶應は三田キャンパスのほうがイメージ強いけど⋯⋯

講義中はとにかく集中して、配られる資料を熟読し、課題に取り組みました。
期末試験も、泣きそうになりながら準備し、必死で臨みました。

結果として、評価はS。
試験前のオリエンテーションで、教官が「S評価は数年に一人いるかいないか」と話していたこともあり、自分でも驚きました。

このときの経験は、慶應通信で学ぶ意味を再確認させてくれた時間でした。

シロ

ちなみ人見知りが災いして、学友とは一言も話せなかったにゃ。

完璧を目指さない「自分なりの続け方」

でも、正直なところ、スクーリング時のような100%の集中は毎回は無理です。
子育て・仕事・生活のなかで、ずっと全力なんてとてもじゃないけど続けられません。
毎日コツコツ勉強…なんて理想はわかっていても、現実は寝落ちしたり、勉強時間が確保できなかったりの繰り返しでした。

それでも、手を止めたくなかった。少しずつでも進めたい。
そんな中で私がたどり着いたのは、「C評価でも合格すればいい」という考え方でした。

シロ

長期間ずっと頑張れる人なんて、そんなに多くないにゃ。

もちろん、最初から手を抜くつもりはありません。
ただ、「常に完璧なレポートを出さなきゃ」「高評価を取らなきゃ」と気負いすぎると、逆に一歩も動けなくなってしまう。
だったら、まずは“合格ラインの60点”を目指して提出する。そうやって、ハードルを下げてあげる。

そう決めることで、心が軽くなり、「とにかく出してみる」という行動が取れるようになりました。
続けるためには、頑張るよりも“続けられる形”を自分なりに見つけることが大切だったんだと思います。

「やめなかった理由」はたった一つ

1年目は、本当に思い通りにいきませんでした。
最短卒業なんて夢のまた夢。
学友との交流もまったくなく、孤独で、誰とも話せない。

何度もやめたいと思いましたが、本当に退学するつもりはありませんでした。
というより、「やめられなかった」と言った方が近いかもしれません。

やめてしまったら──
「学歴コンプレックス」が、ただの未練として残ってしまう気がしたからです。

何もせずに終わらせたくなかった。
せっかく始めたのに、何も成し遂げられなかった自分を、これ以上責めたくなかった。

だから、時間がかかっても、孤独でも、不器用でも、
私は少しずつでも「続ける」ことを選びました。

最後に:1年目でつかんだ“失敗する力”

慶應通信の1年目は、「失敗」と「戸惑い」の連続でした。

でも、やってみて初めてわかること。
やってみて初めて気づく自分のクセや限界。
そういった体験を重ねながら、私は“自分にとって必要な学び”を探していたのだと思います。

何かを始めた時、最初からうまくいく人なんてほとんどいません。
ましてや、育児や仕事を抱えながらの学び直しは、普通の何倍もハードです。

でも、失敗しても、立ち止まっても、途中で投げ出したくなっても──
それでも「続ける」ことを選んだ1年目の自分を、私は今、誇りに思います。

「1年目は、失敗して当然です」
だからこそ、安心して一歩ずつ進んでください。

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