学び直しは、30代のキャリアを劇的に変える魔法の鍵ではありません。
ですが、「選択肢を広げる小さな変化」 を確実にもたらしてくれます。
私は20代で慶應義塾大学通信教育課程に入学し、フルタイム勤務と子育てをしながら卒業しました。その後、簿記2級やITパスポートも取得しましたが、30代の転職活動で痛感したのは 「学歴より実績が重視される」という現実 です。
通信制大学を卒業したことで、応募時に「大卒以上」が条件の求人には幅広くエントリーできました。また簿記2級は経理系求人で応募要件を満たすために役立ちました。しかし面接では、学歴や資格以上に 「これまでどんな成果を出したのか」「それを転職先でどう活かせるか」 が問われました。
だからこそ、学び直しは 転職成功の決め手ではなく、土台を整えるための自信の源 です。この記事では、学び直しがキャリアに与えた「小さな変化」とリアルな気づきをお話しします。
通信制大学に入学した理由:学歴コンプレックスの解消
私は20代の頃、
「大学に行かずに人生を終えるのか?」
という強い焦りを抱いていました。
職場で学歴の話題になるたび、どこか引け目を感じていたのです。
「一度は大学に行きたい」「学歴コンプレックスを払拭したい」
その純粋な気持ちが、慶應義塾大学通信教育課程に挑戦するきっかけでした。
卒業証書を手にした瞬間、
- 「やっと終わった」という達成感
- 「これで大卒。しかも慶應卒だ」という誇り
この2つの感情が一気にこみ上げました。
この経験は今も私のキャリアに自信を与え続けています。

転職活動で実感した「学歴の位置づけ」
30代で転職活動を始め、複数の転職エージェントに登録し、面接にも何度か進みました。
その中で強く感じたのは、通信制大学の学歴は「応募要件を満たすためのパスポート」にすぎない ということです。
面接では学歴より実績
面接で通信制大学について質問されることはほとんどありませんでした。
企業が見ていたのは、「どんな成果を上げたか」「その経験をどう活かせるか」 でした。
集団面接での気づき
ある集団面接では、参加者5名のうち経営者・会社員・デイトレーダーがいました。
経営者には「利益を上げた方法」など具体的な実績を問う質問が集中。
一方でデイトレーダーには「なぜ就職経験がないのか」など、厳しい質問が続きました。
経歴や実績の見せ方で、質問の温度差がはっきり分かれる。
この経験から、学歴だけでは足りず、 「実績の語り方」が重要だと痛感しました。

資格がもたらした変化
通信制大学を卒業した後、簿記2級 と ITパスポート を取得しました。
特に簿記2級は、経理系求人で 「応募条件をクリアするためのパスポート」 として役立ちました。
ただし、資格や学歴はあくまで入り口であり、直接的な転職成功にはつながらない という現実も見えました。

現職を続ける決断
転職活動では、
- フルリモート勤務(都内企業)
- 年収維持 or アップ
という条件に絞ったため、内定のハードルは高く、年収が下がる求人がほとんどでした。
結果として、現職にとどまり、スキルアップと自分の強みを見直す 選択をしました。
エージェントは学び直しに対し「やってないよりは良い」という程度の評価でしたが、
それでも 「自分の可能性を広げる努力をした」という自負 は揺るぎません。
学び直しがくれた「小さな変化」
通信制大学のレポート課題では、「本質を掴む思考力」 が鍛えられました。
仕事で課題に直面した際、 「これは本質的に何を問うているのか?」 を深く考える習慣が身につきました。
また、慶應卒という肩書は学歴コンプレックスを解消し、
「自分はここまでやれた」という自信がキャリア行動の軸になっています。
まとめ:30代転職は学歴より実績+戦略
30代で転職するなら、
学歴や資格はスタートラインを作るだけで、決め手になるのは「実績の見せ方」 です。
とはいえ、学び直しで得られた学歴や資格は 「応募できる企業を広げる武器」 になりました。
これから学び直しを考えている方には、
「まず転職市場を調べてから、必要な学びを逆算する」 という戦略をおすすめします。
おわりに
学び直しは、キャリアを大きく変える即効薬ではありません。
ですが、「挑戦した」という事実は、自分の心を強くし、未来の選択肢を確実に広げてくれます。
私自身、今の仕事に完全に満足しているわけではありません。
ですが、焦らず 「次に進むための準備」 として、学び直しの経験をこれからも活かしたいと思っています。