こんにちは、シロです。
簿記2級に独学で合格したいなら、完璧主義を捨てて“戦略重視”で効率よく取り組むことが重要です。
私自身、簿記2級を独学で受験し、なんとか合格できました。でも、そのときは素直に喜べなかったです。
理由は、得点源と考えていた問題で予想外に失点し、ギリギリの合格だったからです。あと2問落としていれば、間違いなく不合格でした。
この記事では、私の体験から見えてきた「独学の落とし穴」と、忙しい社会人でも効率よく合格できる勉強法を、具体的にお伝えします。
簿記2級の試験概要と出題構成
- 試験時間:90分
- 合格基準:100点満点中70点以上
- 出題形式:第1〜3問が商業簿記、第4・5問が工業簿記
【出題内容と配点】
問題 | 内容 | 配点 |
---|---|---|
第1問・商業簿記 | 仕訳 | 20点 |
第2問・商業簿記 | 連結会計、銀行勘定など | 20点 |
第3問・商業簿記 | 精算表・財務諸表など | 20点 |
第4問・工業簿記 | 仕訳、原価計算など | 28点 |
第5問・工業簿記 | 原価計算の差異分析など | 12点 |
独学合格のコツ
得点源に偏りすぎないことが、合格への近道
簿記2級では第1・第4・第5問が「得点源」とされることが多く、実際に比較的得点しやすい内容です。
私もその方針に従い、基本的にはこれらの問題を中心に過去問を繰り返し解いて、得点力を高めることに集中しました。
しかし、得点源に頼りすぎた結果、本番で思わぬつまずきを経験しました。
その経験から学んだのは、「どこかを捨てる」のではなく「すべてに一定の対応力を持つ」ことの大切さです。
得点源でも落とす可能性があり、合格点に届かないことも
本番では、得点源とされる第1問と第5問で失点しました。
特に第1問に含まれていた商業簿記の本支店会計や税効果会計には、以前から苦手意識がありました。
過去問を何度も解いていたため解ける気になっていたのですが、実際は答えを覚えていただけで、本質的な理解が足りなかったのです。
本番でのつまずきとスコア実例
私の本番スコア

苦手を放置したツケ
試験前の過去問演習では、第1・第4・第5問を中心に対策しており、これらではほぼ満点、2・3問はそれぞれ10点前後という得点バランスでした。
しかし本番では、2問と3問が想定以上に得点源となり、逆に1問と5問は思ったほど得点できませんでした。
得点源とされる問題でも、理解が浅ければ落とす可能性があります。正直、2問と3問が10点前後だったら、不合格だったと思います。
第1問には本支店会計や税効果会計が含まれており、過去問では何度も出てきたため「できる」と思い込んでいました。
しかし、本番で解いてみると、まったく自信が持てず…。
振り返ると、答えを覚えていただけで、本質的な理解ができていなかったのです。
社会人向け!独学合格の4ステップ勉強法
ステップ1:まずは全範囲を効率よく一通り学ぶ
私は『すっきりわかる!日商簿記2級』シリーズを使いました。テキストと問題集一体型なので、読んだらすぐに問題が解けます。
短時間で理解度を高めるためには、アウトプットありきのインプットが重要だと感じています。そのため、このテキストは自分の考えに合っていました。
- テキストを丁寧に読むのではなく、問題を解くのに必要なポイントを拾い読み
- テキストをカンニングしながら問題を解く
- “解きながら理解する”スタイルでテンポよく進める
📌「100%理解していないけど解けたからOK」くらいの気軽さが大事です。

ステップ2:過去問で演習、最初は時間を気にしない
私は過去問演習の最初の段階では、制限時間を気にせず「まずは解けるかどうか」に集中しました。 解けない問題には無理に粘らず、どんどん飛ばしていくスタイルで取り組みました。
テキスト学習が一通り終わった後は、90分を計測しながら通し演習を行い、本番と同じ時間配分や問題の取捨選択に慣れるようにしました。
私の場合は、CBT形式で受験しましたが、CBT形式については特に意識せず、試験本番まで一度もCBT形式で過去問を解くことはしませんでした。 パソコン操作には慣れていたため、本番でも特に支障はありませんでしたが、操作に不安がある方は、事前にCBT形式の模擬試験などを体験しておくことをおすすめします。
- 最初は90分制限なしで解く
- 解けない問題は悩まず飛ばす
- 慣れてきたら時間を測って本番形式で演習
📌 過去問は「合格点を取るため」ではなく、「本番の形式や感覚に慣れるため」に使う。
📌 私はCBT形式には対応しませんでしたが、PC操作に不安がある人は模擬試験などで事前練習がおすすめです。
ステップ3:自己採点&弱点分析で合格ラインに仕上げる
私が簿記2級の独学で一番重視したのが、このステップです。
このステップが、私にとって最も合否を左右したと感じています。
ただ過去問を解くだけでは不十分で、今の自分の実力を正確に把握し、どこを伸ばすべきか明確にすることが、合格への近道でした。
📌 具体的には以下の流れで実践しました
- 自己採点し、各問題の得点を記録
- 問題ごとに「どこで点を落としたか」を必ず書き出す
- ミスの原因を分析
- 単なる計算ミスか?そもそも考え方を理解していなかったか?
- 間違えた問題の内容を3秒で説明できるか自分に確認
- 理解が浅い分野はテキストや動画で復習
- 特に「知っているつもり」でミスした分野は重点補強
- 似た問題を選んで反復練習
- 間違えた問題だけを集めて「弱点ノート」的に解き直す
- 2〜3日後に同じ問題を再チェック
- 本当に理解できているか、記憶が定着しているかを確認
📌 こうした分析と補強を繰り返すことで、単に「問題が解けるようになった」だけでなく、「どんな問題でも対処できる」という自信がつきました。
📌 苦手問題に集中したことで、ギリギリだった得点が少しずつ安定してきました。
ステップ4:2〜3を何度も繰り返す
このサイクルを繰り返すことで、知識が定着し、得点も安定します。
- 得意問題はサラッと、苦手問題は重点的に
- 出題傾向に合わせた問題選定
- スコアの推移を記録し、改善点を洗い出す
- テスト直前は苦手分野の強化にフォーカス
私の過去問スコア推移
過去問は『合格するための本試験問題集 日商簿記 2級』を使いました。このテキストは全12回分が掲載されており、受験までに4回ほど解きました。
回数 | 平均点 | メモ |
---|---|---|
1周目 | 46点 | 初回、苦手多め |
2周目 | 54点 | 弱点補強後 |
3周目 | 72点 | 得点安定してくる |
4周目 | 86点 | 本番直前の仕上げ |
まとめ:完璧を目指さず「合格点を取りにいく」
社会人は時間との戦いです。
時間が限られていても、戦略次第で効率よく合格できます。
逆に丁寧すぎる勉強はかえって非効率で、合格の難易度を高めることにつながります。
簿記2級で大切なのは、100点を目指すことではなく、合格点を確実に超えることです。
- 得点源(1・4・5問)はしっかり対策する
- 2・3問も「捨てずに、最低限得点する」意識で取り組む
- 苦手分野を試験直前に集中強化する
適度を力を抜きながら、限られた時間を有効に活用しましょう。
この記事が参考になって、合格に近づいてくれたらうれしいです。