慶應通信

通信制大学は甘くない?働きながら卒業するまでの8年間を全公開

「大学、行ってみたい気持ちはあるけど……」

「仕事や子育てと両立しながら、ほんとに卒業できるの?」

そんなふうに通信制大学に興味を持ちつつも、迷っている方は多いのではないでしょうか。 私もそのひとりでした。

このブログではこれまで、「気軽に始めてみよう」「完璧じゃなくていい」というスタンスで学び直しについて発信してきました。 でも、通信制大学の学習だけはちょっと別物。正直に言って、スキマ時間だけでどうにかなるようなものではありません。

今回は、「最短で卒業してやる!」と意気込んで通信制大学に入学したものの、現実とのギャップに何度も挫折しかけた私の体験を、本音でお話しします。

入学のきっかけは、意外なところに

私が通信制大学に興味を持ったのは、仕事に慣れてきた20代後半……ではありません。

実は、入社してすぐに学歴コンプレックスを感じていたんです。

職場のまわりは有名私大や地元国立大卒の人ばかり。自分は高卒で、進学校でもない。出身を聞かれると、答えるのがちょっとつらい。

そんな思いはあったものの、当時は「大学に行く」なんて選択肢はまったく思い浮かびませんでした

シロ

学歴の話になるたびに、内心ソワソワしてたにゃ……

それが一変したのが、あるアニメ作品との出会いでした。

このブログでは何度か触れているのですが、私が大学に行こうと思うきっかけになったのは、2013年に放送されていたアニメ『ゴールデンタイム』でした。

大学生活を舞台にしたこの作品を観て、 「やっぱり大学に行きたい」と強く思うようになりました。

そこから、「どうすれば今からでも大学に行けるか」を調べて、通信制大学の存在を知った、という流れでした。

意気込みだけで、現実は甘くなかった

入学したのは2014年10月。 「最短4年で卒業してやるぞ!」と意気込みだけは十分でした。

でも、正直……入ってすぐに現実の壁にぶつかります

最初の半年、何も提出できず。レポートの書き方がわからない。 注釈ってどのくらい書くの? 自分の考察ってどこまで入れるの?と悩んでいるうちに時間がすぎ、後回しにしていました。

ようやく1通目のレポートを提出したのは2015年4月結果はもちろん不合格。 担当教員から厳しいコメントももらい、心が折れかけました。

シロ

“最短卒業”どころか、“もう辞めようかな”って思ったにゃ

みけ

まだ、ほとんど何もしてないのに⋯⋯

反省点

最短で卒業するつもりだったのに、結局8年もかかってしまったのは、最初の想定が甘すぎたからです。

単位取得のリアル:浮き沈みの連続

実際に取得した単位数は以下の通りです。

  • 2014年度:0単位
  • 2015年度:12単位
  • 2016年度:20単位
  • 2017年度:8単位
  • 2018年度:22単位
  • 2019年度:12単位
  • 2020年度:29単位
  • 2021年度:14単位
  • 2022年度:8単位
  • 合計:125単位

ご覧のとおり、かなり浮き沈みがあります。

単位を取得できなかったのは初年度だけですが、スクーリングの単位取得のみでレポートを1本も提出しない年度もありました。やる気が続かない年が多かった印象があります。

2020年度からコンスタントに単位を取得できるようになり、締切前には“何がなんでもやる”という意識に変わっていました。

シロ

ストイックに毎日勉強できるタイプではないけど、少しずつでも単位を取得できたことが卒業につながったにゃ。

学習時間は「夜型」から「朝型」へ

入学当初は、子どもが寝た後の1〜2時間を勉強に当てていました。

ただ、夜はどうしても疲れがたまり、眠気に勝てず、集中力が続きません。また、休日の日中は、子どもが横で遊んでいて勉強どころではありません。

そこで夜ではなく、朝活に切り替えました。

もちろん、すぐに朝活ができたわけではありません。朝はそもそも起きれない、起きても眠くて集中できない状態が長く続いていました。

でも、とりあえず起きてパソコンを開くことを習慣化するように心がけました。

また、2020年頃からは、6時〜10時までファミレスで勉強するようにしました。特に、レポート提出や試験前の1か月は、かなり集中して取り組みました。この時期は、睡眠時間も削って取り組んだことも、何度もあります。

シロ

普段はゆるいけど、締切前は“何がなんでもやる!”タイプにゃ

▶️ 朝活を習慣化するまでの工夫やコツは、こちらの記事でくわしく紹介しています:

「子育て×仕事×勉強」どうやって時間を作った?30代社会人のスキマ時間勉強術 こんにちは、シロです。 「勉強を始めたい」と思っているけど、実際に行動できない人は多いのではないでしょうか。 「仕事が落ち...

通信制大学はスキマ時間では足りない

通信制大学の学習は、レポート、試験、参考文献の読解など、求められるレベルが高く、分量も多いです。

レポートは何度も不合格で返却になることも珍しくないですし、試験も出題範囲が明確に決まっているわけではないので不合格になることも多く、思ったように単位取得が進まないです。

そのため、資格試験のように「空いた時間でコツコツ」では対応しきれません

もちろん、人によってはうまくやれる方もいるかもしれませんが、 少なくとも私にとっては、まとまった時間と根気が必要でした。

通信制大学で感じたこと

「『気軽に学び直そう』と通信制大学に入ると、想像以上に自分にプレッシャーがかかる」というのが率直な感想です。

それでも、得られたものがある

ここまで読むと、「大変そうだな……」と感じるかもしれません。 でも、それでもやってよかったと、今は心から思っています。

なぜなら、

  • 最初は書けなかったレポートが、だんだん形になっていったこと
  • 1つずつ単位を積み重ねて、自信がついていったこと
  • 最後には卒業論文まで書ききれたこと

こうした体験が、自分の中に小さな誇りとして残っているからです。

また、学歴を聞かれたときに自身を持って「慶應義塾大学卒業です」と答えられることが非常にうれしいです。この気持ちは、学歴を他の人に誇れるからではなく、努力したことを自分が一番よくわかっているからだと思います。

シロ

30代になると学歴を聞かれることは、めったにないけどにゃ⋯⋯

まとめ:「あのときの自分に伝えたいこと」

もし、入学前の自分に一言だけ伝えられるとしたら——
**「最短じゃなくてもいい。やめなければ、いつか必ずゴールに近づいている」**と言いたいです。

当たり前のことのようだけど、大学を卒業するには、やめないことが絶対条件です。
毎日できなくても、サボってしまう日があっても、続けている限り、前には進めます。

そして気がついたとき、思っていたよりもずっとゴールに近づいていた。
それが、私の8年間のリアルな実感でした。

もし今、あなたが「本当にやっていけるのかな」と迷っているなら——
大丈夫。最初から完璧じゃなくても、ゆっくりでも、歩き続ければきっと届きます。

小さな一歩を積み重ねていくことが、いちばんの近道になるはずです。

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